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IT エンジニアにおすすめのブルーバックスの書籍 4 冊

IT エンジニアとして何かを作っている中で、コンピュータの背後にある数学や物理学などの知識が役立つ場面があります。

この記事では、数学や物理学の話題を分かりやすく解説する「講談社のブルーバックスシリーズ」の書籍の中で、IT エンジニアにおすすめのものを紹介していきます。

「P≠NP」問題 現代数学の超難問

ミレニアム懸賞問題の 1 つである P≠NP 問題が主題の書籍です。

「コンピュータとは何ものか」に始まり、チューリングマシンやアルゴリズムとは何かなどを解説した上で、計算量や P≠NP 問題について話が進んでいきます。

計算量の基本的な考え方や NP 困難・NP 完全といった用語は、各種アルゴリズムを活用する問題の解説で登場することもあります。

こういった考え方を理解するのに、まずはこのような読みやすい書籍を手にとってみるといいと思います。

不完全性定理とはなにか

「不完全性定理」を中心に、証明可能・不可能とはどういうことか、計算可能・不可能とはどういうことかなどが解説されている書籍です。

コンピュータの理論で重要なチューリングマシンや、その停止問題についても書かれています。

ブルーバックスシリーズ全体に言えることですが、数式などは少なめで、数学的な専門知識がなくても読めるようになっています。

私は読んでいませんが、ブルーバックスシリーズには『チューリングの計算理論入門 チューリング・マシンからコンピュータへ』という本もあり、そちらでもチューリングマシンや P≠NP 問題について書かれているようです。

量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在

量子力学の「多世界解釈」について解説している書籍です。

最近、IT 業界で、ときどき量子コンピュータが話題になることがあります。

この本では量子コンピュータの原理を学ぶことはできませんが、エンタングルメントや ERP パラドックスなど、量子力学で登場する有名な話題を知るための読み物としておすすめです。

数式はまったく登場しないので、数式に抵抗がある方でも楽しめます。

高校数学でわかる半導体の原理 : 電子の動きを知って理解しよう

コンピュータの物理的な背景として重要な、半導体について解説した本です。

半導体やその接合、トランジスタなどについて書かれています。

アプリケーションの開発でここまで意識することは少ないと思いますが、例えば電子工作で電子部品の仕組みを理解する際などに役立つと思います。

タイトルに「高校数学でわかる」とある通り、高校数学の微分・積分くらいの知識は必要になります。

おわりに

コンピュータが動作する数学や物理学的な背景を知りたくなっても、専門書を読むのはなかなかハードルが高いです。

そんな中、ブルーバックスシリーズは前提知識が少なくても読みやすく、とっかかりとして非常におすすめです。

コンピュータの仕組みを学ぶには、日経BP社の「なぜシリーズ」も有名です。

「なぜシリーズ」の書籍については こちら の記事にまとめているので、是非こちらも参照ください。